大手キャリアでスマートフォンを利用するユーザーは、3大キャリアだけで85.1%のシェアを占めています。その中で約7割の方が、月額の支払料金額に不満を持っています。(令和元年6月7日電気通信市場の分析結果)
月額料金を安くする方法としては、「不要なオプションを解約する」「さほど使用していない場合は容量の小さな安いプランに変更する」「格安SIMに乗り換える」等が考えられます。
動画視聴などを頻繁に行い、毎月大量のデータ通信(30GB程度以上)している方で、不要オプションも付いていない場合は、安くするために打つ手が有りません。格安SIMには大容量プランの設定が無いか、旨みが殆ど無いからです。
しかし、動画視聴などで、ゆっくりスマートフォンを利用する場所は、自宅ではありませんか?
その場合は、自宅にWi-Fi環境を構築することで、大きく改善出来る可能性があります。マンションにWi-Fiを設置する、安くてオススメの方法を解説します。
生活様式の変化
自宅での娯楽の王様は、テレビの時代が長く続きましたが、これは一昔前までの話です。
2021年5月にNHK放送文化研究所は、2020年国民生活時間調査を発表しました。1960年以降5年ごとに実施しており、日本人の生活に関する基礎的なデータとして、多くの分野で利用されています。
これによれば、テレビを見る人の割合は年々減少しています。5年前の調査では85%でしたが、2020年では79%に6ポイント下がっています。50代以下は全体的に減少していて、若年層で減少が特に目立ち、20代以下では前年比20ポイント前後大幅に減少しています。
最も低かったのが16~19歳の47%で、10代から20代の約半分は、テレビを殆ど見ない実態が明らかになりました。
以前と今の行動で、何が変わったか?理由は明快です。テレビ視聴の減少分は、SNSや動画視聴などの、インターネットを利用する時間が増えています。特に若年層の16歳から19歳では8割は、何らかのインターネットを毎日利用していて、利用時間も増加の傾向にあります。
(出典:NHK放送文化研究所)
通信量の増加傾向
総務省は、2021年7月に固定系ブロードバンドインターネットにおけるトラヒック(通信量)の実態を把握するためインターネットサービスプロバイダ(ISP)9社(「(株)インターネットイニシアティブ」、「NTTコミュニケーションズ(株)」、「(株)NTTぷらら」、「(株)オプテージ」、「KDDI(株)」、「JCOM(株)」、「ソフトバンク(株)」、「ニフティ(株)」及び「ビッグローブ(株)」)や、インターネットエクスチェンジ(IX)5団体等の協力の下で、2021年5月のインターネット回線の集計と試算を発表しています。
(出典:総務省)
赤い折れ線グラフ、固定系ブロードバンド回線の扱うデータ量は年々増加の一途で、ここ数年は特に急激に右肩上がりになっています。(前年同月比25.6%増)
1契約(1回線)あたりに換算すれば、1か月当たりの下り(ダウンロード)が約175GB利用です。
2020年国勢調査の速報集計では、1世帯当たりの人数全国平均は2.27人ですから、1回線あたり、少なくとも2台から3台のスマートフォンが、Wi-Fi回線を利用していると考えられ、それ以外にパソコンやタブレット、テレビでの動画鑑賞等を1人あたり77GB程度は、毎月楽しんでいる計算になります。
携帯電話会社の回線では月額いくら?
1人あたり70GBから80GB程度のデータ通信量を、スマートフォンで利用する場合は、選択肢の中に格安SIMは入ってきません。
多くの格安SIMのデータ通信容量は、10GBまでが主力プランだからです。それ故、キャリアでの無制限プランが中心になります。料金を見てみましょう。
○docomo
5Gギガホプレミアプラン 容量無制限 月額7,315円
このプラン加入には、5G対応スマートフォンが必要です。
4Gのスマートフォンでは
ギガホプレミアプラン 容量60GB/月 月額7,205円
になります。
○au
使い放題MAX 4Gプラン 容量無制限 月額7,238円
○SoftBank
メリハリ無制限プラン 容量無制限 月額7,238円
これは、あくまで一人あたりの料金なので、家族3人での計算は
○docomo
5Gギガホプレミアプラン 容量無制限 月額7,315円
家族で3回線以上docomoを利用すれば、1,100円の割引きが受けられます。
家族3人では
月の支払料金は(7,315円-1,100円)×3人=18, 645円
になります
ギガホプレミアプラン 容量60GB/月 月額7,205円
家族で3回線以上docomoを利用すれば、1,100円の割引きが受けられます。
家族3人では
月の支払料金は(7,205円-1,100円)×3人=18, 315円
になります
○au
使い放題MAX 4Gプラン 容量無制限 月額7,238円
家族3人以上で利用すれば、1,100円の割引きが受けられます。
家族3人では
月の支払料金は(7,238円-1,100円)×3人=18,414円
になります。
○SoftBank
メリハリ無制限プラン 容量無制限 月額7,238円
メリハリ無制限は、家族で回線数が増えるほどお得になります。
家族3人では
月の支払料金は7,238円+6,578円+6,028円=19,844円
になります。
無制限は、ホントに無制限か?
スマートフォンだけを利用するなら、額面通り無制限で利用出来ます。しかし、テザリング機能を利用してパソコンやタブレットをインターネット接続して利用する場合、auとSoftBankのテザリングは無制限ではなく、月に30GBの制限が有ります。平均的な月間データ使用量には、遠く及びません。
唯一docomoはテザリングも無制限ですが、このプラン契約には5G対応機種が必要です。まだそれほど対応機種は普及しておらず、4G機種での契約プランは60GBの制限が掛かります。
スマートフォンのテザリング機能を利用する場合は、スマートフォンを基地局として無線Wi-Fi・Bluetoothで接続する事が一般的です。LANポートは無い為、LANケーブル接続は当然出来ません。基地局として電波の届く範囲は限られて、家族で使うのには無理があります。
電池の消耗も激しく、スマートフォンでのテザリング機能を、家族でインターネット回線として利用するのは向いていません。自宅マンションでは、別にWi-Fi環境を構築する方が、合理的です。
マンション集合住宅のWi-Fi環境の構築に最適なのは光回線です
光回線を導入する事で、家族全員で快適に利用出来るインターネット環境が出来ます。データ通信容量は無制限で、通信速度も早く安定しています。スマートフォンだけでなく、多くの機器を接続して自由に使うことが可能です。
光回線を導入後には、スマートフォンで携帯電話会社の回線を利用する機会は外出時だけに出来るので、携帯電話会社の契約プランを見直すことで、通信費全体のトータル費用が抑えられます。実際にスマートフォンユーザーの外出時利用は、使うデータ量全体の中で、それほど多くありません。
2021年2月に、ICT市場調査コンサルティングの株式会社MM総研が発表した2020年12月時点での調査によれば、スマートフォン利用者の月々のデータ通信量中心値は7.56GBです。
(出典:MM総研)
大量に使うユーザーが中心値を引き上げていますが、データ量の少ない、グラフの左側に集中している事が解ります。このデータの中には、自宅に光回線を入れてWi-Fi環境で使っている人も含まれていて、上記の数値は携帯電話会社の回線利用のみの数値です。3GB以下のユーザーは6割を軽く超えていて、多くの方は3GB程度のプランで問題が無いと言えます。
その容量だと、価格的には格安SIMのメリットが大きいのですが、それが解っている方も含めて、3大キャリアだけで85.1%にも上るユーザーは、格安SIMに乗り換えていません。格安SIMは、キャリア回線の一部を間借りして利用する事から、通信速度や品質に不安のある事・現在使っているキャリア回線の品質に満足している事、が原因だと考えられます。
キャリア回線で安いプランを検討した場合に、docomo以外のauとSoftBankはサブブランドを展開しています。UQ mobileはauのサブブランドで、auのキャリア回線をそのまま利用する品質の高さがウリですが、光回線との組み合わせで安くなるセット割は無く、au光を導入しても割引きが受けられるのはauプランだけです。
Y!mobileは、SoftBankのサブブランドで、こちらもSoftBankのキャリア回線をそのまま利用する高い品質と、月額料金の安さがウリです。しかも「SoftBank光」と組み合わせる事でセット割が受けられます。
(出典:ワイモバイル公式サイト)
SoftBank光の月額料金は、戸建てで5,720円・マンション集合住宅で4,180円です。
「Y!mobile」契約者が「SoftBank光」を契約する事で、スマートフォンの月額料金は以下になります。
スマホの料金プラン | おうち割 光セット(A) | セット割適用後 月額料金 ()内はセット割適用前 |
シンプルL(25GB) | -1,188円 | 2,970円(4,158円) |
シンプルM(15GB) | -1,188円 | 2,090円(3,278円) |
シンプルS(3GB) | -1,188円 | 990円(2,178円) |
家族3人でシンプルS(3GB)を契約して、マンションでSoftBank光を利用した場合の通信費全体のトータルを計算すると
4,180円(SoftBank光)+990円×3人=7,150円
になります。
光回線に「SoftBank光」+スマートフォンに「Y!mobile」の組み合わせで、自宅で高速回線を家族全員で自由に使い放題で利用しても、通信費トータルは大幅に安くなります。
さらに、正規代理店では独自のキャッシュバックも行っています。キャンペーン詳細については、以下をご覧ください。
全てのマンション集合住宅で、光回線は使えるか?
一戸建ての場合は、光ファイバーケーブルが近くまで来ていれば、多くの場合、引き込み工事を行って光回線は開通することが出来ます。
マンション集合住宅で、建物の中に既に光回線が引き込まれている場合には、光回線を開通させることは比較的簡単です。しかし、未だ建物に引き込む工事が行われていない場合は、仮に光回線が近所まで来ていても、制約がある場合があります。
光回線がマンション集合住宅に導入されていなければ、管理会社を説得して許可を得る必要があります。共用部分に機器を設置して分配するため、居住者・管理者の同意が必要で、工事は小規模では収まらないケースもあります。また、同じ回線を数戸以上は使用するなど条件があったり、契約する戸数によって月額料金が変動したりする場合があります。
様々な建物の構造上の理由で、導入する事が出来ない場合もあります。光回線が引き込まれていないマンション集合住宅では、開通までのハードルは高く、時間も労力も必要になることが現実です。
その場合は、他の方法で自宅にWi-Fi環境の構築を検討する必要があります。
単身者ならモバイルWi-Fiルーターもアリ
単身者世帯の自宅でWi-Fi環境の構築で、最も簡単に導入出来るのが、モバイルWi-Fiルーターです。月に容量制限のあるタイプと、無制限のタイプが有ります。先ほどの一人あたりの利用データを見れば77GB程度ですから、月間100GB有れば事実上無制限と同じように使う事が出来ます。
自宅のWi-Fi環境として利用する場合に、無制限を標榜していても3日間で10GBの制限が有る場合は、注意が必要です。多くの人は、自宅での利用時間は休日に長くなる傾向が顕著で、動画視聴を集中的にしたり、パソコンの大型アップデートが重ったりする場合には制限に掛かり、事実上使い物にならなくなります。
自宅のWi-Fi環境としてモバイルWi-Fiルーターを利用するなら、使いたい時に自由にデータ消費が100GBまで出来る、クイックWiFiがオススメです。
3キャリアに対応するクラウドSIMタイプで、物理的なSIMを搭載していません。日本中どこでも、最適な電波を利用するため、場所を選ばず繋がる安心感があります。
100GBの月額費用は3,718円です。
さらにキャッシュバックも受けられます。クイックWiFiのキャッシュバックキャンペーン詳細については、以下をご覧ください。
しかし、家族で使うWi-Fi環境としては、モバイルWi-Fiルーターは無理があります。容量制限が有り、接続出来る機器が限られ、家族の誰かが外出時にモバイルWi-Fiルーターを携えてしまえば、残された家族はWi-Fi環境が無くなります。
家族なら据え置き型無線ホームルーターが最適
光回線を導入せずに、家族でWi-Fi環境を構築するなら、最適なのは据え置き型無線ホームルーターです。工事不要でコンセントを差し込んで電源を入れれば、Wi-Fi環境が構築出来る簡単さで人気です。
ソフトバンクの「SoftBank Air」の他に、auが2021年8月6日から「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」を発売して、NTTドコモは2021年8月12日から、「ドコモhome 5G HR01」の予約を開始して、8月27日からの発売を発表して活況があります。
通信量制限
「ドコモhome 5G HR01」と「SoftBank Air」は明確にデータ通信量による制限を明記しておらず、無制限でWi-Fiを利用出来ますが、auの「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」は、直近3日間で15GBの制限を設けており、同じWiMAXモバイルWi-Fiルーターの10GBに比べれば増えていますが、あくまで5GBの増加に過ぎず、家族で利用するWi-Fi環境としては、積極的にオススメしません。
また、「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」が使うWiMAX 2+の電波は、建物の構造上の問題で届きにくいケースも多く、その場合auの電波を利用しますが1ヶ月で15GBまでの制限があります。
セット割
通信費トータルで考えた場合、前述の光回線でもご説明しましたが、自宅にWi-Fi環境が出来たら、スマートフォンの契約は小さいプランに変更する事が合理的です。
「ドコモhome 5G HR01」のdocomoはサブブランドが無く、ギガライトプラン3GBまで 月額4,565円から550円の割引きが最も安い選択です。
「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」のauは料金の安いサブブランドUQ mobileがありますが、組み合わせるセット割引制度は有りません。対象になるのはau契約のみで、ピタットプラン~4GB、月額4928円から550円の割引きが最も安い選択です。
SoftBankは、メインブランドだけでなく、サブブランドY!mobileでも、「SoftBank Air」を導入する事で割引きが受けられます。
3GBのシンプルSプランでスマートフォン契約を行った場合、月額2,178円から1,188円の割引きを受ける事が出来るので、月額990円でスマートフォンが利用出来ます。
(出典:ワイモバイル公式サイト)
家族で利用した場合、圧倒的に「SoftBank Air」+「Y!mobile」の組み合わせが安くなります。
「SoftBank Air」の契約は、公式サイト以外に正規代理店サイトでも行えますが、正規代理店での契約方がお得です。公式のキャッシュバックに加えて、正規代理店独自のキャッシュバックを受け取ることが出来るからです。
何処で契約しても、契約後の「SoftBankエアー」のサービスは全く同一で、アフタフォローもソフトバンクが行います。
キャンペーンの詳細については、以下をご覧ください。